Press Release Mar 16, 2022
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第22回ニッポン・コネクション日本映画祭
プログラムのハイライトを発表
2022年5月24日―29日 // フランクフルト現地開催 // 俳優・永瀬正敏氏「ニッポン名誉賞」受賞 // 上映映画・ カルチャープログラムのハイライト
第22回ニッポン・コネクション日本映画祭は、2年間に亘るオンライン開催を経て、2022年5月24日―29日にドイツ・フランクフルトで再び現地開催されます。約100本に上る最新の日本映画を上映、同時に開催されるカルチャープログラムでは、ワークショップ、講演、コンサート等を通し、日本文化に触れる機会を提供します。さらに一部上映作品が2022年5月30日―6月6日に、ニッポン・コネクション・オンデマンドと題してストリーミングされる予定です(ドイツ国内のみ)。
ニッポン名誉賞
今年の映画祭では、第6回目の「ニッポン名誉賞」が授与されます。この賞は、日本映画界に特別な功績を残した人物に贈られます。今年の受賞者は、俳優の永瀬正敏氏です。デビュー作である、相米慎二監督の『ションベン・ライダー』(1983)で、少年の複雑な内面を繊細に演じ、一躍有名になりました。国際的には、ジム・ジャームッシュ監督作品の『ミステリー・トレイン』(1989)と『パターソン』(2016)に、さらにF.T.フリドリクソン監督作品の『コールド・フィーバー』(1995)に出演し、注目を浴びました。園子温監督、石井岳龍監督、山田洋次監督の他、河瀨直美監督とのコラボレーションも多々あります。川瀬監督作品『あん』(2015)では、第37回ヨコハマ映画祭にて主演男優賞を受賞しました。
今年のニッポン・コネクションでは、永瀬氏が出演する複数の作品がドイツプレミア上映を迎えます。『星の子』(2020、大森立嗣監督)では怪しい宗教にのめり込む父親を演じ、藤本啓太監督の『二人ノ世界』(2020)では、頸椎損傷のために首から下の自由を失ったが、盲目のヘルパーの助けを得て、再び生きる勇気を取り戻す主人公を演じています。特別上映として、ジム・ジャームッシュ監督作品の『ミステリー・トレイン』が35ミリフィルムでDFF – Deutsches Filminstitut & Filmmuseumにて上映されます。上映後の質疑応答に加え、これまでの俳優人生を振り返るトークイベントも予定されています。授賞式は2022年5月29日に映画祭会場のKünstlerhaus Mousonturmにて行われます。
映画への愛の告白
ヤクザ映画とアニメ芸術
再び上映の場が劇場へと戻ってきたことに、ニッポン・コネクションは映画への愛を宣言し、その復帰を祝います。周防正行監督作品『カツベン!』(2019)は、20世紀サイレント映画時代の活動弁士に焦点を当てたテンポあるコメディで、ニッポン名誉賞受賞の永瀬氏は、アル中のならず者を演じます。
ジャンル映画ファンには、『孤狼の血 LEVEL2』(2021)の上映が待ち受けます。白石和彌監督の当作品は、広島でのヤクザの闇世界へと誘うスリラーです。また日本が長きにわたって世界にもその優秀さを誇る、アニメ映画も上映されます。エキセントリックな名作『マインド・ゲーム』(2004)とNetflixシリーズ『DEVILMAN crybaby』で有名な湯浅政明監督が『犬王』で映画館に戻ってきます。社会の除け者として扱われる2人が、卓越したアニメ芸術と傑出したサウンドトラックで、音楽と舞踊で封建時代の日本にて名声を博す物語を描き出します。ドイツプレミア上映として、アカデミー賞にもノミネートされた世界的アニメーション作家・山村浩二監督による初の長編アニメーション『幾多の北』が上映されます。作品では表現主義的な映像を通して、日本社会に大きな傷跡を残した3.11東日本大震災のトラウマに向き合います。
大人になる物語
今年の重点テーマである「Stories of Youth」では、日本の若者の日常や、彼らが直面する現実や経験についての洞察を提供します(Kulturfonds Frankfurt RheinMain後援)。
草野翔吾監督の『彼女が好きなものは』(2021)では、いかに日本社会がまだ保守的でカミングアウトが難しいかを語っています。ある男子高校生が同性愛者であることを隠し、同級生の女子と恋愛するふりをする様子を描きます。日本アカデミー賞受賞監督の石井裕也氏による『茜色に焼かれる』(2021)では、コロナ禍で、父親の死と学校でのいじめと向き合う中学生を描いています。
コンサート、ワークショップ、講演
ニッポン・カルチャー部門では、フランクフルト現地及びオンラインにて、日本文化を体験する場が提供されます。二十五絃箏奏者中川かりん氏、ドイツ・日本デュオのDie Yamasakisによるコンサートに加えて、様々な手工芸のワークショップが開催されます。Paula Nishikawara氏による魚拓ワークショップ、山下美千代氏による金継ぎワークショップ等を通し、それぞれの芸術を体験することができます。また、弁当作りワークショップやお菓子料理教室で、日本の味を楽しむこともできます。村上春樹作品の翻訳家であるUrsula Gräfe氏による、文学作品のプロ翻訳の世界を一眼する講演もあります。ニッポン・キッズ部門では、日本における子供・青少年の日常をテーマとしたオンライン講演、漫画講座等が開催されます。
映画祭情報
プログラムの全容とチケットに関しての情報は2022年5月半ばから、映画祭ホームページにて掲載されます。NipponConnection.com
映画祭メイン会場であるKünstlerhaus MousonturmとTheater Willy Praml Naxoshalleに加えて、Cinema at the DFF – Deutsches Filminstitut & Filmmuseum、Mal Seh’n Kino、 Internationales Theaterが会場となります。また、今回初めてEldorado Arthouse Kino、Bürgerhaus Bornheimが会場として加わります。
映画祭終了後に一部上映作品が2022年5月30日―6月6日に、ニッポン・コネクション・オンデマンドと題して映画祭サイトホームペーサイジ上のWatch.NipponConnection.comにてストリーミングされる予定です(ドイツ国内のみ)。
映画祭について
日本映画祭「ニッポン・コネクション」は約70人のボランティアを中心としたチームからなるNPO法人「ニッポン・コネクション」により運営されています。また、ヘッセン州科学芸術大臣アンゲラ・ドルン氏、フランクフルト市長ペーター・フェルトマン氏及び在フランクフルト日本国総領事館に後援されています。2000年の映画祭発足以来、日本映画に関する世界最大のプラットフォームへと、またヘッセン地方における最大級の映画祭となりました。